午前中、授業が始まるまでの数時間ルリオオモモブトスカシバを採集しに出掛ける。本種は1997年に宮崎県小林市を模式産地として新種記載された瑠璃色に輝く大変美しいモモブトスカシバである。記載文はこちら。http://ci.nii.ac.jp/naid/110007630763
発見以来模式産地のみの記録で、しかもその産地がダメになってしまった種。それが去年鹿児島市内にて二番目の産地が発見され、未発表の情報を合わせると鹿児島県内各地で性合性フェロモンを用いて単発的に採集されているよう。
二週間前に来た時にはヒメアトスカシバとオオモモブトスカシバだけだったのですが、今回はルリモモブトばかりでした。これからが発生の時期のようです。
朝の10時から採集を始めたが、飛来時間は採集できたもので10:07, 10:20, 11:09で、取り逃がしたものも全て10時から11時までに飛来した。恐らくフェロモンの成分は完全に一致しているのではなく、複数のルアーの周りを飛び回るだけなのだが、どうやらコスカシバ用のものに惹かれているよう。ちなみに市販のコスカシバ用のフェロモンは鹿児島のコスカシバ個体群への効きは弱いらしいです。
全部で3頭採集しましたが、模式標本のように瑠璃色が腹部などに広がっておらず、後翅の基部に瑠璃色が乗っている程度のものであった。ただ、取り逃がしたものの中に目が覚めるような瑠璃色が広がっている個体がいたので、これは個体変異の範疇に入るのではないかと思っている。